移動の不必要性/新幹線

移動の不必要性/新幹線

１つの生き方
人類にとって必要なもの

１．移動の不必要性/新幹線

①新幹線を見て思ったこと

先日ふと新幹線を見る機会がありまして、そういえば全力で走っている新幹線をまじまじと見つめる機械なんてもう何年も無かった気がします。

最近の新幹線は速いですね（笑）

全部で１５両、長さにしては２００ｍ位あるのでしょうが、ほんの数秒で視界から消え去っていきました。

あの新幹線には、何百人、ひょっとしたら千人以上の人が乗っている・・・そしてその人達は今高速で移動している・・・そんなことを考えているうちにある考えが浮かんできました。

②人類にとっての移動の不必要性

人類はこれまでの数百万年間、何百km、何千kmも移動しなくても、立派に生きてきました。

日本でも江戸時代までは、自分の生まれた藩（県）から一度も出ること無く一生を終える人も少なくなかったようです。

それでも生活が成立していたのでしょう。

そもそも江戸時代は、藩（県）の外に出る移動の自由がありませんでした。

人間にとって、そんなに何百kmも移動する必要なんてあるのでしょうか？

新幹線に乗って時速200km以上という高速移動を剃る必要があるのでしょうか？

もちろん現代では家族・親戚縁者・友人が数百km離れて住んでいることも珍しくありませんから、会うためには長距離移動も必要です。

ですが本来は、そんなに離れて暮らす必要はあるのでしょうか？

移動の無い、もしくはできない時代では、人は親戚縁者・友人とごく近辺に住んでおり、そこで一生を過ごしていました。

それでも生活は成り立っていたわけです。

移動には電気やガソリンなどエネルギーを沢山使います。

何か人々はとんでもなく不必要なことをしているような、しなくてもいいことにたくさんのエネルギーやお金・時間を使っているような、そんな感覚が私にはあります。

こんなにまでも移動しなければ生活が成り立たないような社会には誰がしたのでしょうか？

何百㎞も移動する必要をつくることは、誰にとってメリットのあることなのでしょうか？

鉄道会社や車メーカー以外にもメリットを受けている人がいるのでしょうか？

結局元をたどると移動手段利権ともいうべき利権にたどり着くのでしょうか？

　「特急列車の乗客たちはとても急いでいるんだね。いったいなにを探しているんだろう？」と、プチ・プランスが言った。

　「運転手にだってわからないことだよ」と、ポイント切り替え人が言った。

今通過した特急とは反対方向に通過した特急を見て、

　「乗客たちは、自分の乗った電車に満足しなかったのかな？」

　「人は、自分が今いるところに決して満足しないものだよ」

　「子供だけが、自分が何を探しているのかわかっているんだね。子供たちは、粗末な布でできた人形のために時間を費やしているから、人形がとても大切なものになるんだ。」

　「子供は幸せだな」と、ポイント切り替え人がぽつりと言った。

プチ・プランス―新訳星の王子さまより一部編集